Story

森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った一ノ瀬海。
過酷な境遇にも負けず、師との運命的な出会いを経て、ショパン・コンクールで世界に挑む姿を描く感動の物語。

  • #1:選ばれた手
  • #2:ショパンを弾くために
  • #3:モーツァルトの遺言
  • #4:一番のピアノ
  • #5:コンクールの神様
  • #6:森のピアノ
  • #7:再会
  • #8:挑戦状
  • #9:ワルシャワの胎動
  • #10:ショパン・コンクール
  • #11:ポーランドの新星
  • #12:fff(フォルティッシッシモ)
  • #12:fff(フォルティッシッシモ)

    いよいよカイの演奏順がまわってきた。阿字野の「いつも通りに弾けばいい」というアドバイスに背中を押され、カイはステージへ。「よっ!ショパン。やっとここまで来たぜ!」 月のように輝くショパンのレリーフに向かってカイは挨拶をし、鍵盤に向かった――。

    ピアノ楽曲
    ショパン:エチュード ハ長調 作品10-1
    ショパン:エチュード イ短調 作品10-2
    ショパン:ノクターン第3番 ロ長調 作品9-3
    ショパン:ワルツ第8番 変イ長調 作品64-3
    ショパン:ワルツ第7番 嬰ハ短調 作品64-2
    ショパン:ワルツ第6番 変ニ長調 作品64-1 「小犬のワルツ」
    ショパン:バラード第4番 ヘ短調 作品52
    ショパン:プレリュード 嬰ヘ長調 作品28-13
    ショパン:プレリュード 変ニ長調 作品28-15 「雨だれ」
    ショパン:プレリュード ニ短調 作品28-24

  • #11:ポーランドの新星

    とてつもない緊張の中、修平がステージに上がる。自分を信じるため、そして自分の心の唄をカイに聴かせるため、修平はピアノを奏でた。修平の演奏を聴き、自分の出番まで緊張をほぐそうとワルシャワを走るカイ。ショパンの森に入ったところで、出場者でポーランド人のレフと出会う。

    ピアノ楽曲
    ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調 作品31
    ショパン:エチュード イ短調 作品25-4
    ショパン:エチュード イ短調 作品25-11 「木枯らし」
    ショパン:ノクターン第13番 ハ短調 作品48-1
    ショパン:バラード第1番 ト短調 作品23
    ショパン:プレリュード イ長調 作品28-7
    ショパン:エチュード ヘ長調 作品10-8
    ショパン:幻想曲 ヘ短調 作品49

  • #10:ショパン・コンクール

    いよいよ、ショパン・コンクールの本大会が始まった。トップバッターのフランス出身・ソフィをはじめ、世界中から集まったコンテスタントの素晴らしい演奏が続く。そんな中、中国出身のパン・ウェイの演奏を初めて耳にしたカイは、激しい衝撃を受ける。

    ピアノ楽曲
    ショパン:バラード第2番 ヘ長調 作品38
    ショパン:エチュード ハ長調 作品10-7
    ショパン:エチュード ヘ長調 作品10-8
    ショパン:エチュード ハ短調 作品10-12 「革命」
    ショパン:エチュード 嬰ト短調 作品25-6
    ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 作品60
    ショパン:スケルツォ第3番 嬰ハ短調 作品39
    ショパン:エチュード ロ短調 作品25-10

  • #9:ワルシャワの胎動

    舞台はポーランド・ワルシャワへ。ついにショパン・コンクール本大会前の予備予選が始まった。ライバルたちが緊張してミスをする中、修平はプレッシャーをはねのけ堂々とした演奏を披露する。胸を高鳴らせ演奏を聴いていたカイは、久しぶりの再会に声を掛けようと修平に近づくが……。

    ピアノ楽曲
    ショパン:エチュード ヘ長調 作品25-3
    ショパン:エチュード 嬰ハ短調 作品10-4
    ショパン:エチュード 変ト長調 作品10-5 「黒鍵」
    ショパン:エチュード ハ長調 作品10-1
    ショパン:エチュード ホ短調 作品25-5
    ショパン:バラード第4番 ヘ短調 作品52

  • #8:挑戦状

    5年前の全日本学生ピアノコンクールで、審査員という立場からカイの才能にフタをした浪花音楽大学学長代理の佐賀とハヤマ音楽大学附属高等学院教諭の司馬だったが、いまだにカイのことを気にしていた。そんなある日、コンクール出場者名簿の中に「一ノ瀬海」の名前を見つけ……。

    ピアノ楽曲
    ショパン:バラード第4番 ヘ短調 作品52
    ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 作品27-2 「月光」 ~第1楽章、第3楽章(アレンジ・バージョン)
    ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18 ~第1楽章、第3楽章
    ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22

  • #7:再会

    5年の月日が流れ……。父・洋一郎の勧めもありザルツブルグに音楽留学中の修平。留学先の学校で偶然目にしたある映像が頭を離れなくなり一時帰国を決意する。修平は今のカイと向き合いたいとその行方を捜すのだが……。

    ピアノ楽曲
    サクラサクラ(アレンジ・バージョン) 編曲:富貴晴美
    バッハ:イギリス組曲 第2番 イ短調 BWV807 ~プレリュード
    リスト: 「葬送曲」 ~詩的宗教的な調べ 第7曲
    ハノン 第1番
    「ヤツらに捧げるバラード」 作詞:一色まこと 作曲:富貴晴美 歌 大貴:小林由美子
    ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18 ~第3楽章
    リスト:「ラ・カンパネラ」 ~パガニーニ大練習曲集 第3曲
    ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18 ~第3楽章

  • #6:森のピアノ

    カイが大切にしてきた森のピアノも最近では音が出ない箇所が増え、まともに弾くことができなくなっていた。「ピアノが弾きたい」……ただその一心で、カイはコンクールのために使ったレッスン室を思い出し、かけ足で向かう。その途中、森にカミナリが落ちる。
    消防のサイレンがけたたましく鳴る中、カイは方向をかえ森へ走りだした――。

    ピアノ楽曲
    ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界より」第4楽章(アレンジ・バージョン)
    ショパン:ワルツ第6番 変ニ長調 作品64-1 「小犬のワルツ」

  • #5:コンクールの神様

    カイの演奏は会場中を興奮させた。しかし審査員たちは認めなかった。修平も誉子もショックを受ける。もう一度、観客の前でピアノを弾きたいと強く思い始めたカイだったが、人前では悔しさを隠す。強がるカイを前に、阿字野はあることを考えていて……。

    ピアノ楽曲
    モーツァルト:ピアノ・ソナタ第2番 ヘ長調 K.280 ~第1楽章
    ショパン:ワルツ第6番 変ニ長調 作品64-1 「小犬のワルツ」
    ショパン:ワルツ第1番 変ホ長調 作品18 「華麗なる大円舞曲」

  • #4:一番のピアノ

    カイにとって初めてのコンクールが始まった。ライバルの修平や、有名なピアニストである修平の父・洋一郎、阿字野たちが見守る中、カイはステージに上がる。
    “自分のピアノ”が見つからないままのカイだったが、そのすばらしい演奏は審査員たちを驚かせる。しかしカイ自身は納得できず……。

    ピアノ楽曲
    モーツァルト ピアノ・ソナタ第2番 ヘ長調 K.280 ~第3楽章
    モーツァルト ピアノ・ソナタ第2番 ヘ長調 K.280 ~第1楽章

  • #3:モーツァルトの遺言

    阿字野からの課題曲は、モーツァルトK(ケッヘル)280。「お前はお前のピアノを弾け」と阿字野は言う。カイは悩むが自分のピアノが見つからないままコンクール当日に。
    優勝候補筆頭の修平は、一番のライバルはカイだと公言した。そんな彼らを、誉子という少女がにらみつけていて……。

    ピアノ楽曲
    モーツァルト:ピアノ・ソナタ第2番 ヘ長調 K.280 ~第1楽章

  • #2:ショパンを弾くために

    交通事故でピアニスト人生を絶たれたかつての天才・阿字野は、自分が手放した特注のピアノを簡単に弾くカイに運命的な何かを感じる。
    一方カイは、どうしてもショパンの『小犬のワルツ』がうまく弾けない。いつもなら一度聴けばどんな曲でも再現できるのに……。
    カイは悩んだ末、阿字野のもとへ向かうが……。

    ピアノ楽曲
    モーツァルト:ピアノ・ソナタ第2番 ヘ長調 K.280 ~第1楽章
    ベートーヴェン:エリーゼのために
    ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67 「運命」 ~第1楽章
    ショパン:ワルツ第6番 変ニ長調 作品64-1 「小犬のワルツ」
    ハノン 第1番

  • #1:選ばれた手

    森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った一ノ瀬海(カイ)。
    ある日、カイが通う小学校に転校生の雨宮修平がやってきた。世界的なピアニストの父を持つ修平は自分もピアニストになるのが夢だ。
    森でピアノを弾いているカイを見た修平は、そのことを音楽教師の阿字野壮介に話す。
    阿字野は動揺し……。

    ピアノ楽曲
    ショパン:エチュード ハ長調 作品10-1
    ジョセフ・ウィナー:茶色の小瓶 編曲:ウィリアム・フィネガン