Story

森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った一ノ瀬海。
過酷な境遇にも負けず、師との運命的な出会いを経て、ショパン・コンクールで世界に挑む姿を描く感動の物語。

  • #13:ショパンの旅路
  • #14:懸ける想い
  • #15:覚醒
  • #16:約束
  • #17:審議は踊る
  • #18:レクイエム
  • #19:君の“1番”のために
  • #20:パン・ウェイの真実
  • #21:あなたが生きた証に
  • #22:ショパンの生まれた国で
  • #23:ヒーロー
  • #24:世界一のピアニスト
  • #24:世界一のピアニスト

    いよいよ最終審査結果の発表だ。審査委員長のヤシンスキがマイクを持つと、会場のボルテージも最高潮に。コンテスタントの名前が発表されるたび、あちこちから喝采がわき起こる。はたして、一ノ瀬海はピアニストとしての未来をつかみ取れるのか。カイとピアノの奇跡の物語、ここに完結。

    ピアノ楽曲
    ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 第1楽章
    ジョセフ・ウィナー:茶色の小瓶 ~オーケストラver.~(編曲:ウィリアム・フィネガン)
    ショパン:ノクターン 変ニ長調 作品27-2
    モーツァルト:きらきら星変奏曲 K.265
    ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22
    ラフマニノフ:2台ピアノのための組曲 第2番 作品17 第3曲 ロマンス

  • #23:ヒーロー

    最終演奏者のレフの演奏が始まった。地元ポーランドの新星を、オーケストラも客席も、皆が後押ししている。レフは5年前、事故に遭って以来寝たきりになってしまった姉のエミリアを想いピアノを弾いた。だが、ステージのレフに異変が……。

    ピアノ楽曲
    ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 第1楽章/第2楽章/第3楽章

  • #22:ショパンの生まれた国で

    ファイナル最終日。カイはステージに上がる前、お守りにしてきた“森のピアノのカケラ”を阿字野に返す。自分はもう大丈夫だから、という愛弟子の言葉を阿字野もしっかりと受け止める。客席では修平たちが、日本では森の端の仲間たちが、ナストゥルイのピアノバーでは常連客たちが……皆が見守っている中、カイは最後のステージへ向かう。

    ピアノ楽曲
    ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 第1楽章/第2楽章

  • #21:あなたが生きた証に

    「ショパンは平地で育った……どこまでも続く壮大な平地で……」修平との会話で演奏の大きなヒントを得たカイ。一方、自分の過去をゴシップ記者に暴露されたパン・ウェイはそのことを阿字野がどう思っているかが気になっていた。ファイナルのステージを前に控え室に向かうパン・ウェイはばったり阿字野に遭遇し……。

    ピアノ楽曲
    ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21 第1楽章
    ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 第1楽章/第2楽章/第3楽章

  • #20:パン・ウェイの真実

    早朝のワルシャワの街を歩く、カイと修平。二人はショパンアカデミーのレッスン室で一晩中ピアノを弾いていて、共に朝を迎えたのだった。このコンクールを最後に、阿字野がカイの指導者をやめることを知った修平は驚きを隠せない。そして、その先にあるカイの壮大な計画を聞き、激しくショックを受けて……。

    ピアノ楽曲
    ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 第1楽章
    ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 第3楽章

  • #19:君の“1番”のために

    ショパン・コンクール、ファイナル初日。ここからはオーケストラと、ピアニストたちの共演になる。出場予定者がリハーサルをこなしていく中、パン・ウェイが予定時刻に姿を見せないというアクシデントが。一方、カイは一人、大好きな公園にいた。修平との会話を思い出し、心を痛め……。

    ピアノ楽曲
    ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 第1楽章
    ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 第3楽章

  • #18:レクイエム

    ショパン・コンクール、ファイナリストが決まった。ファイナルに残れなかった修平はショックを隠し切れない。結果に涙する者、喜びをかみしめる者……フィルハーモニーホールのロビーには色んな感情が渦巻いている。様々な想いをすべて包み込むように、聖十字架教会にモーツァルトのレクイエムが響き……。

    楽曲
    モーツァルト:レクイエム~ラクリモサ

  • #17:審議は踊る

    見事なまでの「ポーランドのショパン」を披露したレフ。そんな余韻に包まれたステージに登場したカイだったが、カイの演奏が始まった途端、その空気は一変してしまう。そして、すべてのコンテスタントの演奏が終わり、ファイナルへの通過者が発表され……。

    ピアノ楽曲
    ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58 第1楽章/第3楽章/第4楽章

  • #16:約束

    偉大なピアニストの祖父を持つポーランド人コンテスタントのレフ・シマノフスキは地元の審査員たちから注目される中、ステージに向かう。レフには一つ上の姉エミリアがいた。エミリアは子どもの頃からコンクールを総なめにしていたが……。

    ピアノ楽曲
    ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35「葬送」第2楽章
    ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調 作品53「英雄」
    ショパン:マズルカ 作品56 第1曲 ロ長調
    ショパン:マズルカ 作品56 第2曲 ハ長調
    ショパン:マズルカ 作品56 第3曲 ハ短調
    ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58 第4楽章
    ショパン:マズルカ 作品50 第1曲 ト長調
    ショパン:マズルカ 作品50 第2曲 変イ長調
    ショパン:マズルカ 作品50 第3曲 嬰ハ短調

  • #15:覚醒

    第2次予選2日目。いよいよ、修平の出番がくる。勝ち残った30名の内、ファイナルに進めるのはたった12名。修平の父で自身もピアニストである雨宮洋一郎は、客席で祈るように見つめている。修平は震える手を握りしめ、決意をもってステージへ。ただ一人、カイに聴かせるために魂を込めてピアノを奏ではじめた。

    ピアノ楽曲
    ショパン:マズルカ 作品59 第1曲 イ短調
    ショパン:マズルカ 作品59 第3曲 嬰ヘ短調
    ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58 第1楽章
    ショパン:ポロネーズ第7番 変イ長調 作品61「幻想ポロネーズ」
    ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35「葬送」第1楽章
    ショパン:マズルカ 作品30 第4曲 嬰ハ短調
    ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22
    ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66

  • #14:懸ける想い

    ショパン・コンクール第2次予選が始まった。初日から優勝候補のパン・ウェイが出場するとあって、会場は立ち見も出るほどの大盛況だ。第1奏者のソフィ・オルメッソン、そして続くパン・ウェイの演奏に会場中が高揚する。阿字野壮介のピアノの影響を強く感じさせるパン・ウェイのピアノだが、そこにはパン・ウェイの壮絶な出生が関係していて……。

    ピアノ楽曲
    ショパン:ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 作品44
    ショパン:マズルカ 作品33 第1曲 嬰ト短調
    ショパン:マズルカ 作品33 第3曲 ニ長調
    ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35「葬送」第1楽章
    ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35「葬送」第3楽章
    ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35「葬送」第4楽章

  • #13:ショパンの旅路

    満月の光が差すワルシャワ・フィルハーモニーホール。ロビーは、ショパン・コンクール第1次予選の審査結果を待つ人々であふれかえっている。審査は難航し、一度目の通過者リストは破棄された。色々なうわさ話が飛び交う中、一ノ瀬海(カイ)をライバル視している雨宮修平も心穏やかではいられない。予定時刻を大幅に過ぎた頃、いよいよ第1次予選の通過者が発表される。
    それは波乱の幕開けとなり……。

    ピアノ楽曲
    ショパン:エチュード ロ短調 作品25-10